戦後最年少でノーベル文学賞を受賞したカミュの代表作といえば異邦人ではないでしょうか?異邦人のインパクトによって彼は賞を取ったとも言われています。

異邦人の位置づけ

カミュの作品である異邦人は1942年に刊行されています。人間社会に対する不条理をモチーフにした作品となっています。日本語訳も行われています。新潮文庫から窪田啓作訳のものが出版されています。作品の冒頭部分である「きょう、ママンが死んだ」の一節が非常に有名になっています。

あらすじ

アルジェリアに住む主人公の元に自分の母の死を知らせる電報が届くところから小説が始まります。母の葬式に立ち会った主人公は特に感情を示すことはありませんでした。しかしながら彼は、トラブルに巻き込まれてしまって、アラブ人を射殺してしまいます。

彼はその裁判の場において母の死に際しても感情を示すことが無かったことを指摘され、冷酷無比な人間であるという糾弾を受けてしまいます。彼は殺人の理由を太陽のまぶしさにしてしまいます。死刑囚となった彼は、罵声をうけながら、死ぬことを最大の喜びにしています。

映画化

異邦人は多くの注目を集める作品であるために、映画化されています。1967年にイタリアで異邦人のタイトルで映画化されました。監督はルキノ・ヴィスコンティが担当しています。最終場面では、主人公が死を受け入れることによって自由を手にすることができる様が描かれています。主人公役はマルチェロ・マストロヤンニが担当しています。日本語の吹き替えは近藤洋介が担当しています。

翻訳小説

日本人向けにこれまで多くの翻訳が行われています。翻訳の微妙な違いを読み比べてみてもいいでしょう。翻訳書を片手に原作を読んでみることもお勧めです。アルジェリアの作家カメル・ダウドは、2013年に主人公に殺された名前のない「アラブ人」の弟を語り手とする『ムルソー再捜査』を発表しています。両作品を読み比べて見ることもお勧めです。

まとめ

カミュの代表作である、異邦人は人間社会の不条理をモチーフにしている作品です。実際の本を読むこともお勧めですが、映画化されていますので、映画によってその内容を堪能してみてもいいでしょう。翻訳書も多く出版されています。また姉妹小説のような位置づけでムルソー再捜査も出版されています。本と読みながら自分の人生を振り返ってみてもいいのではないでしょうか?